コーチングを意識してもうまくいかないのはなぜ?
親「先週、どんな約束したっけ?」
子「学校から帰ったらすぐに宿題をする」
親「そうだよね?で、宿題したの?」
子「してない」
親「うん、そうだよね?どうすべき?」
子「ちゃんとやるべき」
親「約束を守れない子はどうなるんだった?」
子「入試に失敗する」
親「そうだよね」
親が質問をしていて、詰問でもないし、子どもも自分で答えている。
ですが、実はこれはコーチングではありません。
聞き手が持っている答え(判断)へと、相手を誘導する会話です。
たとえ口からお利口な返事が出てきていても、自分の心から出た答えではないので、結局行動に変化は生まれません。
質問の源泉は「興味」
パパママ・コーチングにおける質問とは、聞き手が持っている答え(判断)を脇に置いて、素朴な興味から問いかけること。
その興味はパパママ・コーチングの以下の三つの信念から来る前向きなものであると、よりパワフルです。
「人は育とうとする生き物である」
「人は自分の中に答えを持っている」
「人はそれぞれ」(一人ひとり、違いを持っている)
三つの信念をもとに、例えばこんな質問をしてみることも可能です。
「この成績にたいしてどんな気分?」
「一〇の力があるとして、どのくらい使ってる感覚?」
「今日から取り組める工夫があるとしたら何?」
「調子が良かったときは、どんな生活をしてた?」
「成績がアップしたとしよう。何が決め手だったの?」
「五年後、どこでどんなことをしていたい?」
「あなたはどんな人生を送りたいの?教えて」
お子さんが安心感に包まれながら、自由に思考をめぐらせて、自分で答えにたどり着ける。
ご家庭での対話が、そんな充実した時間になることを切に願っています。