人は育とうとする生き物である
子どもにとって、親・家族の承認は、イキイキと毎日を過ごすために不可欠なものです。
そして、「よりよく生きたい」、つまり「育ちたい、人として成長したい」という意思の原動力でもあるのです。
心理学者のアブラハム・ハロルド・マズローは、下の図のように人間の基本的欲求を5段階に分類しました。
底辺の欲求から順番にそれが満たされると、もう一段階上の欲求が起動していく、という考え方です。
成長の欲求は、実は次元の高い欲求です。
①生存し続けたいという「生理的欲求」が満たされると
②安心・安全を確保したいという「安全・安定欲求」が出てきます。
これが満たされると③人から愛されたい・仲間が欲しいという「愛・所属欲求」が出てきます。
それが満たされると④「承認欲求」が出てきます。
これだけ4つの欲求が満たされて初めてスイッチが入るのが
⑤「よりよく生きたい」、「育ちたい、人として成長したい」という「自己実現欲求」なのです。
愛情と承認が成長欲求のスイッチを押す
つまり、愛情を十分に感じられなかったり、承認を十分に感じられていない状態では、
「目標を掲げてそれを追い求めなさい」「道徳心を持ちなさい」「自己管理できる人間になりなさい」といくら言っても、本気の取り組みは期待できないのです。
家庭では意識的に、③愛・所属欲求と、④承認欲求をたっぷり満たしてあげられるように、コミュニケーションをとりましょう。
そうすれば、子どもは誰に促されるでもなく、よりよく生きようと、自然と育ち始めるでしょう。