子どもに全ての意識を向けて集中して聴く
私は手を拭いて、息子の横へ行き、顔をのぞきこみながら話しかけました。
「先に着替えたいの?」
「うん」
―あれ? いきなり素直に返事した。
「ごはんはどうする?」
「あとで食べる。だって、お着替えさきにしないといけないから」
―なるほど。いつもと順番が違うって気づいたから、先に着替えようとしようとしていたんだ!
(我が家では通常、起床→着替え→朝食の流れにしています。)
「そっかぁ、じゃあ先に着替えよう! ひとりでできる?」
「いそいでできないから、ママ手伝って」
―あ、「いそいで服を着替えて」と私が言ったから、いそいで着替えようと思って手伝ってほしいって言っていたんだ!
訳のわからないわがままを言っているんじゃなくて、
わたしのことばをまっすぐ聞いて、
よくなろう、よくしようと自分なりに答えを導き出して主張していたんだ。
「わかった! じゃあ、早く着替えられるようにママ手伝うね」
このあとすんなり準備が整い、二人で手をつないで笑顔で保育園へ向かうことができました。
親の都合を脇に置く
『傾聴』※ が大事と分かっていて、いつも心は息子に向いているつもりの私でしたが、
実際には手は止められていないし、時間のことばかり気にしている。
そのことに気づかされました。
(※傾聴 …パパママ・コーチングの基本スキルで、子どもの抱えていることをそのまま受けとる聴き方。
親の解釈、判断、評価を脇に置いて、子どもへの興味関心から集中して聴くこと。)
親の都合で物事を見るのではなく、
わたしが息子をひとりの人間として尊重し信頼した上で話を聴くことができたなら、
息子はもっと豊かな言葉で表現することを覚えて、
もっと自信を持って行動できる子になっていけるんじゃないだろうか、
そう感じることができた出来事でした。
いま、元気いっぱいの息子をあらためて愛おしく感じています。