子どもが中学生に入って、だんだんと自分のことを話さなくなり、最近では学校の事や塾の事を話そうとしても「うるさい」としか言わなくなりました。
コミュニケーションをとりたくても、会話をどのように深めたらいいか悩んでいます。
-中学2年生男の子のお母さまより
お子さんと会話したいのに、「うるさい」と言われると戸惑いもあり、また心配なお気持ちもあることと思います。
今日はそんなお子さんへの対応について考えてみましょう。
思春期の心のゆらぎ
子どもは中学生の頃、自立へ向けて急成長していきます。
親と距離を置き、意思をもった一人の人間として、自己を確立しようとする時期だと言われています。
一方、強い自立心と同時に、こころはとてもたくさんの荷物を抱えています。
学習の難易度の高さ、友人関係の複雑さ、近い将来への不安、外見的特徴の変化…
いろんなモヤモヤが交差して、端的には説明できない複雑な状態になっているのです。
「喋らせよう」は悪影響
そんな時、親の無理に「喋らせよう」とする関わりはお子さんにとって抵抗や、負担感を感じるもの。
「詮索されたくない」「管理されたくない」という気持ちを強めます。
「詮索されたくない」という反発の裏側には、「自立したい」というお子さんの自然な願いが育っています。
また、「親の安心のために情報収集をする」という目的で、詮索するような質問になっていないか、自己観察してみましょう。
子どもに助言や指摘をする前に
子どもが親に悩みを話さなくなる理由の一つとして、「助言や指摘をされたくないから」というものがあります。
皆さんも「ただじっくり話を聴いてもらっただけで、悩みがほとんど解決して、気持ちもスッキリした」という経験はないでしょうか?
子どもより人生経験の長い親は「正しく解決してやろう」「もっとこうしなさい」と助言や指摘をしてしまいがち。
「自分の気持ちや考えを十分に聴いてもらえないのに、助言だけたくさんされる」というのはストレスです。
「考える主体は子どもである」ことを大切に、子どもの話を聴く配分を増やしましょう。
アドバイスをしてあげたいときは、まず子どもの話を全て聴ききってから、最後に添えるのがおすすめです。
お子さんにとっても負担感なく、素直に受けとれるようになります。
親だからこそしてあげられること
そして何よりも、いろんな悩みや葛藤を抱えながら過ごしているお子さんへ、
・お子さんを大切に思っていること
・お子さんを尊重したいと思っていること
・お子さんを信頼していること
そのメッセージを 言葉で、態度で、行動で届けてあげてください。
「何があってもお父さんお母さんは味方でいてくれる」と
お子さんが感じられるていることが、一番のサポートになります。
まとめ
子どもは一人の立派な人格をもった生きものです。
小手先の言葉選びだけでは、なかなか関係性が進展しません。
愛情・信頼・尊重の気持ちを届けて、お子さんの安全基地を家庭につくることで、サポートしていきましょう。