親子のコミュニケーションの中で、傾聴の効果をさらに高めるために、「質問」を効果的に使うことが可能です。
次の二つの会話を見比べてみましょう。
Aの会話
親「最近、塾についていけてるの?」
子「まあまあ」
親「まあまあでいいの?この前のテストもひどかったじゃない」
子「うん」
親「本当にやる気あるの?受験学年になったのに今やるべきことを分かってる?」
子「分かってるよ」
親「分かってるならどうして毎日そんなにだらだらしてばっかりなの?こんな成績のままで志望校に合格できると思ってるの?」
子「…」
Bの会話
親「最近、勉強の調子はどう?」
子「まあまあ」
親「まあまあか。あなたが10の力を持ってるとして、今使っている力はいくつ?」
子「うーん…7くらい」
親「7ね。それをどうしたい?」
子「部活の大会が終わったら10にする」
親「そうか。その計画で、志望校合格の自信はどのくらい?」
子「えー、自信はないけど…」
親「そうか。何があったら自信が出そう?」
クローズドクエスチョン
たとえば、Aの会話の「授業についていけてるの?」という質問は、YesかNoでしか答えられない質問です。
「答えはNoでしょ?授業についていけてないんでしょ?」と決めつけられている感覚や、「反省しています。頑張ります」と言わされなそうな感覚を抱きます。
選択肢が限られていることから、クローズドクエスチョンと呼びます。
「まあまあでいいの?(いいわけないよね)」
「やる気あるの?(全然ないよね)」
「分かってる?(分かってないよね)」
という質問も同じです。
お子さんは決めつけを感じ、抵抗を示しやすくなります。
オープンクエスチョン
Bの会話では
「最近、勉強の調子はどう?」
「今使っている力はいくつ?」
「自信はどのくらい?」
など、YesかNoでは答えられない質問をしています。
答えに自由さがあることから、オープンクエスチョンと呼んでいます。
答えの範囲がぐんと広がり、お子さんは閉塞感や圧迫感、そこから起こる抵抗感が小さい状態で素直に考えることができます。
まとめ
クローズドクエスチョン中心の会話でお子さんを問い詰める、追い詰めるのではなく、オープンクエスチョンを多用して、自由な思考や気づきを引き出しましょう。
答えるのに時間がかかるお子さんも、ゆったりした気持ちで待てば、必ず答えが出てきます。ぜひ試してみてくださいね。