「どうしてうちの子はすぐ諦めてしまうんだろう?」
「どうしたら、やる気を出して自分からやれるようになるんだろう」
そんなお悩みを持つ親御さんは、お子さんの話を「傾聴すること」に取り組んでみてください。
傾聴とは、お子さんが話すことを、ただじっくりとそのまま受け取ってあげることを指します。
「うちは普段から子どもとたくさん話しているし、子どもの話を聴けている」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、「子どもの話を聴いているつもりで、実は聴けていない」ということが、親子関係ではとてもよく起こっているのです。
傾聴できていない状態
子どもの話を「傾聴できていない状態」の会話例をあげてみましょう。
■ 他のことを考えながら聞く
親「おかえり、遅かったね」
子「〇〇と公園でサッカーしてたんだ」
親「そうなんだ。(宿題は一体何時までに終わらせるつもりなのかしら)」
子「〇〇のお兄ちゃんがサッカー上手いから今度みんなで一緒にやる約束したの」
親「ふーん…(最近少しずつ夜寝るのも遅くなってきてるし…)早く宿題をやっておいで」
■「それはおかしいよ」「もっと~しなきゃ」など、評価、判断しながら聞く
親「なんでこんな点数なの?テスト勉強やらなかったの?」
子「いろいろ忙しくて…」
親「忙しい?そんなのはみんな一緒だよね?」
子「…。やってみても分からないところが多いし…」
親「塾の先生に質問にいけばいいじゃない。」
子「うん…」
いかがでしょうか。
この他にも、「急かしながら聞く」、「子どもの話を遮って話始める」なども「傾聴できていない状態」にあたります。
聴くことに集中する
人間は社会的な動物ですから、人とつながっている感覚や、人に受け容れられている感覚を無意識に求めていて、それが実感できないと不安になったり、混乱が起こったりします。
つながっている、受け容れられている…それを確かめられるのが「話す」行為です。
お子さんの話を聴く際には、
・評価、判断、思考が湧き上がってきたら脇に置いて、またお子さんの話に集中する
というようにしてみましょう。
お子さんが一生懸命に話す姿が愛おしく感じたり、存在受容のつながりを感じたりしながら、親子関係がさらに深まっていくのを実感されることでしょう。
傾聴してもらうと、子どもの「聞く耳」が開く
また、大人もそうですが、子どもも日々両手いっぱいに荷物を抱えながら生きています。
そこに「ああしなさい」「もっとこうしなきゃ」と親がアドバイスをして、荷物をさらに増やそうとしても、子どもは受け取れません。
親が言いたいことよりも先に、まずは子どもの言いたいこと、話したいことを根気強く受け取ってあげることが必要です。
これが「傾聴」です。
じっくりと傾聴を続ければ、子どもは荷物を下ろすことができ、そこにスペースが生まれます。
抱えていた荷物をすっかり下ろしてスッキリすれば、子どもは親の想いに耳を傾けられるようになります。
そして、親のアドバイスやリクエストを受け取りやすくなるのです。
まとめ
傾聴とは、お子さんがどんなことでも安心して思い切り話せる状況を作ってあげること。
湧き上がってくる思考を脇に置いて、ただひたすらにお子さんの気持ちや願いに耳を傾けるだけの時間をとってあげてください。
忙しいお父さんお母さんたちが、毎日少しの時間、傾聴を徹底して実践するだけでも、十分に効果があります。
是非実践してみてください。