例えばお子さんの生活態度が後ろ向きなとき、つい言ってしまいがちなのが次の質問です。
「ちゃんと勉強したの?」
「やる気あるの?」
「それでいいと思っているの?」
「恥ずかしくないの?」
「入試に落ちてもいいの?」
これらの質問に対して、お子さんは
はい(イエス)か、いいえ(ノー)でしか答えられません。
このような質問を、クローズドクエスチョンと呼びます。
クローズドクエスチョンが引き出すもの
特に上記にあげた質問は、クローズドクエスチョンの中でも
相手の答えを求めておらず、
自分の言いたいことを言うための言葉です。
「はい」「いいえ」のどちらで答えても、
攻撃、否定、ダメ出しされそうな圧迫感を感じます。
そして、抵抗や反発、自己否定、逃げなどを引き出してしまう恐れがあります。
「ちゃんと勉強したの?(してないよね)」
「やる気あるの?(あるようには見えないよ)」
「それでいいと思っているの?(今のままじゃあなたはダメ)」
「恥ずかしくないの?(わたしなら恥ずかしいよ)」
「入試に落ちてもいいの?(よくないよね)」
こんな風に、質問の裏に決めつけやコントロールを感じるからです。
親としては、子どもの将来や現在を心配し、
なんとか状況を改善してやりたい、という愛情から発している質問ですが、
お子さんの前向きな変化は起こりにくいものです。
やる気を引き出すオープンクエスチョン
そこで活用いただきたいのが、オープンクエスチョンです。
「はい」「いいえ」で答えられない、感覚や程度を聞く質問です。
「宿題は何割くらい片付いた?」
「自信はどのくらい?」
「どんな気分?」
「満足度はどう?」
「目標を達成したい気持ちは何パーセント?」
返ってくる答えは、「微妙」とか「20パーセント」とか、後ろ向きなものかもしれませんが、それでOKです。
「微妙なんだね」「20パーセントか」とお子さんの言葉をオウム返し(繰り返し)して受け取ってください。
そして、「どうしたい?」「言ってみてどんな気持ち?」と、
オープンクエスチョンでの会話を続けてみてください。
やがてお子さんは、自分が何を話しても親はちゃんと受け取ってくれる、という安心感を得ます。
ダメ出し攻撃から反発、自己否定、逃避をする必要はなくなり、
自分の今の状況を真剣に見つめ、課題を自分の口に出せるようになります。
そして、自分で話しながら、
そうか、こうやってみよう、という気づきやヒントを得るようになるのです。
今日からお子さんに、オープンクエスチョンでぜひ話しかけてあげてください。